夏の恐竜

真夜中に目覚めて 音のない部屋でひとり 
ベランダに目を向け ただボーっとして夜明けを待っている

時々夜の中で 明日が来るの怖くなる
静寂をかき消すように 鼻唄歌った

月灯かりがボンヤリ この部屋を照らして
なんだか少し 息苦しくなって窓開けた
見ないフリしてた 君の化石もぬくもりも
ずっと捨てられずに 夜明けとともにまた目を覚ます

朝日から隠れたいな 薄いシーツに潜った
真面目な目覚ましが 今朝も鳴り出して止まった

君宛の手紙が届いてた 僕宛のはひとつもないのに
いなくなったあとに 君が少しずつ増えていく
どんなに小さな夏の化石も 二人の思い出蘇らす
心に大きな足跡つけてった 今でもこの手で触れられそうだ

涙があふれた さみしさに溺れて
目を覚ました街の 音に紛れて気持ちを隠してる
言葉にしないように あの唄歌ってみる
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