誰かの国

あなたは誰かのもの
傍観者はもうやめた
物語の中へ

昔私が王様だったころ
この世界はまるごと私のものだった
ベランダから見た街も行き交う人も
おもちゃ箱溢れて飛び出したミニチュア

近づいたらみんな他人のフリしてさ
寂しくて きれい

あなたは誰かのもの
掬ってもすり抜けてアスファルトを鳴らす
ここはもう誰かの国
傍観者はもうやめた
物語の中へ

昔私は王様だったから
完璧に囲まれ あまりに無知だった

見渡せば未完成だらけ
それが気楽で 息が吸えた

あなたは儚いひと
暮れなずむ空に似たあなたのようになりたい
ここはもう誰かの国
冠は降ろしたから
そこに私も混ぜて

はがねとシルク 胸に忍ばせ
右左見て ほら青信号
近づきたい みんな どこへ向かうの
ぜんぶ 不確かで きれい

あなたは誰かのもの
掬ってもすり抜けてアスファルトを鳴らす
ここはもう誰かの国
傍観者はもうやめた
ここはもう名も無き国
誰になろう
物語の中へ
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