海鳴りの宿

過去なんて どうでもよかった
ついてきてほしかった
海鳴りのきこえる この宿で
しあわせの貝がらを
あげたかったのに
やせてうつくしい あの手には
今日もグラスが握られて
揺れてるだろうか… むなしく…

約束の切符を見つめて
うなずいたひとだった
海鳴りがやたらと はげしくて
しあわせの貝がらは
くだけてしまった
やはり昨日から 逃げられず
こころの扉 締めたまま
泣いてるだろうか…ひとりで…
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