冬の宿

(セリフ)ア… 遠い人になってしまった

逢うたび細くなる君の
その肩先を だきながら
ああ 苦しめてごめんねと
あやまりながら泣いていた

生きてることが苦しいと
身をふるわせたあのひとを
ああ 信濃路のカラマツの
落葉のなかでおもいだす

片っぽだけの 靴下で
おわった恋の 編物よ
ああ その恋のすて場所を
さがしてふけた 冬の宿
×