ファクトリー

親父は町いちの権力者
いくつも会社をきりまわす
その昔ヤバイ橋も渡って
今でもワンマンの頑固者
息子の俺にも構わない
何を言っても相手にしない
俺は今年で18になり
親父の工場に働きに出た
コーヒーとサンドウィッチ 流し込み

毎日いつものバスにとび乗り
朝の集会に顔を出す
次第に俺にも世の中の
表と裏が解かり出す
ハンチングとサスペンダー 腕を上げ

ユニオンの旗の下で 俺達は集った
ユニオンの旗の下で 俺達は働いた

ある時リーダーに俺は選ばれ
毎日親父と闘った
机の上には書類があふれ
朝から晩まで走り回った
町には不況の風が吹き荒れ
会社も斜めに傾いた
そのうち昔が暴かれて
親父は手錠をかけられた
サンライズとサンセット 映し出す

ユニオンの旗の下に パトカーが止まってる
ユニオンの旗の下に パトカーが待っている
ユニオンの旗の下で 俺達は集った
ユニオンの旗の下で 俺達は働いた
ユニオンの旗の下で 俺達は立ちすくみ
ユニオンの旗の下で 俺達は息をのむ

後ろの座席に深く
親父はうなだれて
最後にはすぼめた肩を
震わせて俺を見た
しばらくあの目がやきついて
俺は親父の部屋に戻った
広場の皆を呼び出し
いつものように機械を回す
コーヒーとサンドウィッチ 流し込み
コーヒーとサンドウィッチ 流し込み
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