哀しみの予感

脱がされた靴の ころがる行方を
たしかめてから 乳房抱かれる

これが最後のくちづけと
心に決めたはずなのに
ルージュの色も選べない
あんたの指がいとしくて
海鳴りは とおく揺れて
別れが必ず 来るというのに

だめだなァ あたし
あたし だめだなァ
あの夜 この夜 幾千の夜
くちづけはいつも
最後から二番目

あしたあんたを離れよう
ほんとうに あした別れよう
このままふたり堕ちてゆく
夢物語わすれよう
渡り鳥空に帰る翼がなくても
飛べと言うように

だめだなァ あたし
あたし だめだなァ
あの夜 この夜 幾千の夜
くちづけはいつも
最後から二番目

海鳴りは とおく揺れて
別れが必ず来るというのに

だめだなァ あたし
あたし だめだなァ

脱がされた靴の ころがる行方を
たしかめてから 乳房抱かれる
×