旅路のはてに

人の妻だと 噂にきいて
風の行方を たずねてみたが
水辺に映る 男がひとり
過去の貴女の 面影を
探し求めて 傷ついて
松江を歩く 旅のひと

別れいろした 夕日が沈む
松江大橋 行き交う人に
どこか似ている 女がひとり
何時かかわした 約束も
湖の灯りが 消してゆく
松江に泣いた 旅のひと

お伽話に 出てくるような
街を見下ろす 千鳥ヶ城を
何処かで見てる 貴女の素顔
明日は上りの 汽車に乗る
恋の運命と 知りながら
松江をすてた 旅のひと
×