緑茶

靴ぬいでストン
その場に落ちてしばらくストップ
玄関の静けさ 今日ノイズほどいてく
しんどいなんて言いたくはなくて
胸のあたり ざらり 小さく鳴るだけ
マグカップに指触れて でも湯呑み手に取って

なかなか開かないお茶っ葉じっと見つめて
揺らいでるあいだに 輪郭がちょっと戻ってく
ひとりなのにね
ひとりの時より少しやわらかいこの部屋で
僕の中のざわめき ほどよくゆるめて
「今日、負けたんだ」

この緑茶がぬるくなるまでに
もう少しこのままいさせてよ
悔しみも悲しみも
いまはまだ熱を感じてるの

指の赤み消えるその前に
大丈夫はまだ言わないで
言葉の角まるくして
ここにある痛み
僕らただ見つめて

洗い忘れの皿シンクの隅で固まって
ちゃんとしなきゃがまた今日を押してくる
乾きかけの水あと光にそっと浮かんで
見て見ぬふりするくらい
今日くらい
まあいいよね

この緑茶がぬるくなるまでに
もう少しこのままいさせてよ
悔しみも悲しみも
いまはまだ熱を感じてるの

指の赤み消えるその前に
大丈夫はまだ言わないで
言葉の角まるくして
ここにある痛み
僕らただ見つめて
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