それはただの幻

潮騒が耳を 塞ぐテラス
満ちてゆく月を見つめていた
わざと背を向けて 黙っていたのは
隠す気持ちを 試してた

恋なんてどこかで たぶん誤解ばかり
正しい言葉でさえ迷う

このままどこまで行くの
なにも決めないまま
指の先から さみしくなる
夜明けは二人の影を
どこへ連れてゆくの
そこは幻に近い

抱きしめられれば 変わることを
ほんとは知っていたはずなのに
せつなくなるのは ひとりじゃないから
そんな心を 持て余す

幸せは残酷 また時が絡まる
突然見えるものが違う

このままどこまで行くの
なにも決めないまま
声は言葉に ならなくなる
二人が望んだ風が
もしも吹いてきたら
それは偶然に近い

このままどこまで行くの
なにも決めないまま
指の先から さみしくなる
夜明けは二人の影を
どこへ連れてゆくの
そこは幻に近い
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