名月赤城山

男ごころに 男が惚れて
意気が溶け合う 赤城山
澄んだ夜空の まんまる月に
浮世横笛 誰が吹く

意地の筋金 度胸のよさも
いつか落目の 三度笠
云われまいぞえ やくざの果てと
さとる草鞋に 散る落葉

渡る雁がね 乱れて啼いて
あすはいずこの 塒(ねぐら)やら
心しみじみ 吹く横笛に
またも騒ぐか 夜半(よわ)の風
×