タイムマシン

何も知らなかった
あの頃に戻れたらな
結末は何も変わらないと
分かっていても
少しくらいは目を背ける
時間が欲しかったよ

君がついた
たった一つの嘘は
一瞬にして
積み上げた鮮やかな日々を
モノクロに変えた
この瞳はひどく濁りきってしまった
映るもの全てを

私も嘘をついた
二人のためなんだと
心と正反対の答えを
君に置いていった
これでよかったはずで

もし
タイムマシンが本当に
この世界にあったら
全部なかったことに
できる魔法があったら
何ひとつ記憶が
残らなくていいから
出逢い直せたなら
そう何度願ってしまったか
もう一度
君と恋をしたいだなんて
思ってしまう今日も

君はどうしようもなく
私を悲しませたり
他で満たせない幸せをくれた
そんな
重ねてきた月日には
見合わないほど
あっけない終わりで

君と二人で描いていた未来
一つずつ消していく
その度に
もしも別の未来があったのなら
今頃二人は笑ってる?
そんなことばかりを

タイムマシンが本当に
この世界にあっても
全部なかったことに
なんて出来ないよ
こんな愛した日々を

結ばれたことに
離れていくことに
全部意味があるなら
君とでよかったと
いつしか最後の
恋に落ちた日には
そう思えるような
さよならにしよう

もう二度と
大事な手を離さないで
いられるようにほら
最愛を知るための
恋だったと
いつか思えるように
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