セントバーナード犬と旅びと

アルプス越えの旅びとが
吹雪の中でこごえていた
そのとき なにかが近づいた
すごく おおきな けだものだ

死にものぐるいの旅びとは
ナイフをそいつにつきさした
なまあたたかく 血がながれ
そのまま 彼は気絶した

しばらくしてから旅びとは
ようやく息をふきかえした
そのとき彼は 気がついた
じぶんの いのちの恩人に

吹雪の中の旅びとを
あたためたのは犬だった
けなげな セントバーナード
胸に ナイフがささっていた

うなだれている旅びとに
ささやくように犬はいった
「気にすることはありません
これがぼくの仕事だから」

そうして犬は死んでしまった
しあわせそうに眼をとじた
やさしいセントバーナード
雪ふる山のものがたり

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