常世の気まぐれ

見つけた あなた見つけた
隠れている 蒸した夜の花火
私は何をしてんだろう
もうあなたには見えっこないでしょ
あ~あ 見えないよね…

楽しくないのね あなた
それじゃあ 悪戯しちゃうわ

けけけ
ひゅ~ひゅ~どろどろ
ぺったんたんで這い寄って
さあ あなたの後ろにも
それ気のせいじゃない
何だったらもう一回
そう あなたに憑きたいの

逸れた 少し逸れた
独りになる 蒸した夜の雫
私は指を近づけて そっと握るように
あなたの温度を想像してみたりね

寂しくないのは嘘ね
それじゃあ 意地悪しちゃうわ

けけけ
ひゅ~ひゅ~どろどろ
ぺったんたんで這い寄って
囁くの耳元で
それ気のせいじゃない
何だったらもう一回
ねぇ あなたに聞きたいの

空 雲 風 猫 花 その匂い
あの時と同じ蝉 と鈴も

つんつんいじいじ
精一杯で引っ張って
お願い振り向いてよ
そりゃ馬鹿みたいでしょう
こうなってから言ったって
虚しいだけ

“ねね 今だけだよ”

さあ ひゅ~ひゅ~どろどろ
ぴったんたんで合いまして
そりゃ意味不明なのです
でも気のせいじゃない
噛んじゃったんでもう一回
あの あなたが好きでした
ばいばい さよなら また来世

有耶無耶どもの願いを伝う
夏は気紛れ
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