小鳥曜日

あるときあなたは助けたの 傷つき迷い込んだ小鳥を
両手で包んで温めて スプーンでそっと水をやって

よく朝 円らな目をあけて 手のひらをつついてた小鳥は
ベランダでみじかく囀って 青い空へと飛んでいった

ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もうあなたのことなど覚えてやしない
ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もうどのこの声かもわからない

それでもあなたは気になって ときおり窓辺に佇んでは
迷子になったときのために 小さなリボンの印つけた

ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もうあなたのことなど覚えてやしない
ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もうどのこの声かもわからない

夢なら醒めるのに きみのいない世界
夏の近い気配 ひたひたと浸す

あるときあなたは気づくでしょう きっといつかのあの小鳥が
ベランダに落としていったのは 青いオリーブの小枝だった

ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もう私のことなら心配しないで
ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もう誰のところにも帰らない

ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もうあなたのことなど覚えてやしない
ピウ ピウ ピッピウ ピウ ピウ ピ
もうどのこの声かもわからない
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