哀恋記

窓に吐息を ふきかけて
惚れたと云う字を かいて消す
涙のしずくで 錆びついた
女ごころの 恋の傷
愛して尽して 何に何になる
信じて待っても 誰が誰が来る
独りぼっちの 夜の終りに
しらじら 夜明けが あゝ来るばかり

好きと泣いたら 負けになる
きらいと強がりゃ つらくなる
つめたい東京の かたすみに
青い鳥など いやしない
幸せ探せば 風が風が吹く
明日を祈れば 雨が雨がふる
燃えてはかない 恋の終りに
もひとり他人が あゝふえるだけ
×