月時雨

別れから 降り出した雨は
また僕の 足りないを掬う

言い訳を纏った夜
溢れ出した月が 僕を刺す

君が呟いた表情が
意味の無いことばかり謳って
忘れたいよ

曖昧なんていらない
だから会いたいなんて言えない
このまま どうか連れ去って

僕は 掴めないよ
君の影を

真っ白でわからないよ
苦しさはなんで

胸を裂いた 言葉の行方を
探して

茜色の雨に濡れた

またねから 繰り出した思いは
まだ僕の 体内を巣食う

忘れたい騒めきも
気が付けばそっと 朝を待つ

僕が言い出した想像が
思い出のカーテンを揺らして
聞きたくないよ

さよならなんて知らない
我儘な約束でもいい
このまま どうか連れ去って

僕は 掴めないよ
君の声を

真っ暗で届かないよ
悲しさはなんで

胸を刺した 言葉の行方を
忘れて

茜色の雨に濡れた

何回も叫んで 繰り返して
繰り返して 届かなくて

溢れ出して 泣きはらして
重ねた息を

裸足のまま歩いていたとしても
ずっと ずっと ずっと
生きて行くから

どんな明日であっても
僕は僕だ 生きて往くから
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