nigatsu

寒い日は
街の力がなくなって
静かに息をしている

駅の階段
いつも風が強くて
前髪がふわっと踊る

冷たい雨の後
水溜まりに陽が笑う
忘れてしまうよ
きっとそのままどこまでも行く

繰り返す日々の速さ
気が付いた時には
終わりに近付く

寂れた木々の下
早足で潜って
暖かい季節を待つ

仄かに光る二月の
その刹那に待つ祈り
なくしてしまうよ
きっとそのままどこまでも

ふと考えている
いつの日かの死期
苦しそうな夕景が
私によく似ていたの
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