百獣の王

君の頬を触って
君の瞼を撫でた
君のことがすき、すき、すき、すきでたまらない
君の唇キスして
君の首に噛みついた
君のことがすき、すき、すき、すきでたまらない

この好きは君のためではない
こうしたら気持ちがいいからさあ
ひたひたと浸かるからどうぞ応えないでくれ
息もできない比喩ではなくほんとに

僕はライオン 君の頬を触った
君の涙を食べた すき、すきでたまらない
なくならないよ 君が僕になるまで
何も考えたくないよ この世の最上階で

君の声を奪って
君の夢を縛った
眠りの中にいてもすき、すきでたまらない
君の醜い傷口
君の汗で冷える肌
現実ごとすき、すき、すき、すきは止まらない

殺す気なんかほんの少しもない
どうして気持ちいいのかなあ
きらきらと踊る目でこっちを見ないでくれ
あらがえもしない 本能の爪を隠して

僕はライオン どれくらいの間
君のこと抱きしめてた すき すきは止まらない
なくならないよ 君じゃなくなったって
僕が想ってるから この世でいちばんの眺め

欲しいよ あげる 欲しいよ
別にくれなくたっていいよ
つよいんだぞ 何よりも 強いんだぞ

僕はライオン 君の胸引っ掻いて
君の涙も食べた すき すきがとまらない
なくならないよ 君が僕になるだけ
何も考えないでいいよ からっぽの君になるまで
あげたい もらってよ ねえ

君のことがすき、すき、すき、すきでたまらない
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