weather lore

春の風はまだ寒くて冷えた両手
明日からはしばらく雨の予報

錆びたベンチから眺めた海岸通り
あの雲のどれか目掛けながら

空に弧を描く

蹴飛ばした靴の放物線を追って
走って行く 走って行く

手足の感覚が呼ぶ方に向かって

春の風は冷たいまま指を抜ける
ひび割れた唇 なぞってみる

錆びたフェンスから見上げた月明かり
あの星のどれか目掛けながら

流れ星を見逃したんだ
そんなことを思い出していた

晴れた日がよく似合うそんな横顔
なんだか 思い出していた

蹴飛ばした靴の放物線を追って
走って行く 走って行く

手足の感覚が呼ぶ方に向かって
走って行く

蹴飛ばした靴の放物線を追って
急いで行く 急いで行く

手足の感覚が呼ぶ方に向かって

降り出した雨が上がったら
窓からは春の風
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