little pack

旅立つ日の朝は 失敗続きで
こんなに騒めいた街でひとり
希望を待つ子犬のよう

ぎゅっと ストラップ握りしめながら
境界線跨いだ

遠く遠くまで行くよ
リュックにはミニマムに
明日を超えるためのプライドを詰めて
整頓は苦手だから
このままの私しか行けない
足りないとしても それでも

新しい景色が 瞳満たすたび
虹色を通して この世界の輪郭が浮かぶ
飾り気なく注ぐ 落ち葉時雨
一枚一枚が 私宛に綴られた手紙のよう

そっと拾い上げ
壊れないように 大事に仕舞った

遠く遠くへ行くたび
リュックは重くなるの
出会うもの皆全て次々と詰めて
呼吸は荒く乱れ スピードも落ちるけど
一つも手放せなくて

あふれた荷物が私のかたち
いつか通り過ぎた日々も集めて
持ち切れなくなっても きっと

それは分け合うための 幸せに変わるから
出会うもの何ひとつ諦めないでね
遠く遠くまで行くよ
このままの私でいい
誰かと分け合うために背負うよ
小さな私の宝物
×