手紙

同じ屋根の下 同じ天井を見て
明日を想いながら眠りにつく夜
時には小言を呟きながら
忙しなく身支度をする朝

繰り返す日々を退屈だと
思ったことなど一度もありません
ああ、洗濯物が今日も風に揺れている
あなたへ、あなたへ、届けと

見上げれば澄んだ勿忘草色
綿菓子のような雲がただ一つ
静かに流れていきます
言葉数は足りないあなたでしたが
渡せるようにと繋いできたもの
あなたがくれた日常を
愛しています

擦りむいた膝に貼った絆創膏
優しい声、微笑む顔をそっと浮かべていた
どんな時も心を寄せ、守り続けてくれた
毎日を憶いながら

会えないのは少し寂しいですが
いつの間にかあなたに似てきた私を
どこかで見ていますか?

言葉数は足りないあなたでしたが
渡せるようにと繋いできたもの
あなたがくれた幸せを
生きています

窓の外に見える
優しい灯り
私もその灯りの一つです
見せたい景色や話したいことが
今日もまた、増えました

あなたは私の誇りです
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