或る日の朝に

二人よく見た映画の流れる間に…

「雨が降りそうだよ」 声を掛けてわざと起こした
今朝出て行くこと知ってて眠る背中に

ありふれた会話
二人の空気
悲しくざわめき

ふたりよく見た映画をもう一度見たくて
流してみればこんなに 寂しさ増していく

雨が降り出したら 心急かされ扉開けた
ゆうべの喧嘩が最後と胸が痛んだ

巻き戻しても
行方は同じ
悲しさ揺らめく

二人見た出来損ないの映画が
あんなに心に灼きついたのは
あなたがいたから
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