リンゴガール

隣に住んでるガールは大学に通っていて
朝は9時頃家を出て 帰ってくるのは6時くらい
どうやらバイトはしてないみたいだ

毎週土日は大概 彼氏が泊まりに来る
時々聞こえる笑い声 夜になればロマンポルノ
男の声がいつも余計なんだよ

最近僕も連載を持つようになってきたけど
大学生と同じアパートに住んでいるのです

いつもの調子で仕事を片づけていたら
誰かがチャイムを押してる
あらま お隣のガールだ
どうしたんだろうか なんか怖いな

実家からたくさんリンゴが送られてきたので
お裾分けにきたんだと 全く可愛い娘じゃないの
もう少し僕も若かったらな

「上がってきなよ」なんてひとこと言えるんだろうな
あーなんてこった こうしてみると最高に可愛いじゃないか

それから半年が過ぎ
めでたく僕も引っ越しすることになりましたよ

「お別れですね」半笑いの僕はガールに言った
「えー、寂しいな」本気で寂しそうな顔のガール
電話番号をお互い自然に教え合ったあと
ガールは僕の引っ越しの手伝いをしてくれたんだ

「辛いことがあったら電話しなさい」

なんてね
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