京都冬化粧

あなたと別れて ひとりになって
出直す覚悟で 三門くぐる
ゆれる未練を 断ち切りました
みんな忘れます
ああ 除夜の音(ね)を雪が吸いとる 知恩院
今年はいいこと ありますように
お初詣(まいり)の 京都冬化粧

優しいことばで ほろりと酔わせ
心がほどけた 祇園のあの夜(よ)
うすい縁(えにし)の さだめでしょうか
夢を見たのです
ああ くるくると 縄の白朮火(おけらび) 消えぬよに
暦が変われば 私もかわる
かわるおんなの 京都冬化粧

ゆく年くる年 想いはめぐる
両手を合わせて 願掛けました
恋は枯れても 悔やんでません
春を信じます
ああ 凛として 燃える五瓣(ごべん)の 花椿
今年はいいこと ありますように
雪の円山(まるやま) 京都冬化粧
×