冬のれん

真面目に生きれば しんどいこの世
女のわたしも わかります
熱燗一本 つけますか-
せめて今夜は お酒に酔って
苦労の荷物は忘れてよ
外はみぞれの… 外はみぞれの…
冬のれん

男が手酌で しんみり飲めば
心がなおさら 沈みこむ
わたしに一杯 注がせてよ-
聞けばおんなじ 北国育ち
初めてみたいな 気がしない
港はずれの… 港はずれの…
冬のれん

凍(しば)れた夜更けは お客も来ない
硝子戸ひゅるひゅる 鳴るばかり
今夜はゆっくり して行って-
郷里(くに)のはなしに ほころぶ笑顔
夢ならそのうち 叶うわよ
春は間近の… 春は間近の…
冬のれん
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