風花

帰れない世界の外で 小さく君を抱いた
静かに時は流れて 瞳を伏せる
僕たちのエデンの園に 咲き誇る林檎の花
退屈な本を畳んで その実を齧る

ずっと探してた 愛し合う意味を
風に攫われた 哀しみの理由(わけ)を
震える長い睫毛 ルルリラ 風花が濡らす

古びた追憶の舟は 木綿の波に沈む
はにかむ君の肩から 零れた雫
ずっと探してた 終わらない夜を
胸に暗(く)れ惑ふ 儚き心で
途絶えた月の旋律(しらべ) ルルリラ 永遠に揺られ

感覚のない 冷えた手で手繰り寄せた未来は
磨硝子の向こう もう色褪せた
果てなき空より舞い落ちる 綻びは堕天使のように

ずっと探してた 愛し合う意味を
やがて消えてゆく この宙(そら)の中に
潤んだ君の瞳 見果てぬ蜃気楼に

ずっと探してた 愛し合う意味を
風に攫われた 哀しみの理由(わけ)を
震える長い睫毛 ルルリラ 風花が濡らす
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