海抜

眠りの中では うまく話せていて
あの頃暮らしていた街と息白
君と坂を登って行く

起きたら覚えていなくて
まあそれなりの今もあって
腹の底とは違う 流れに乗って老いていくのでしょう

灯を消せば弾む話とか思い出すけど

遠く凪いだ波に重ねた
君を想う心はあの辺りだ
嘘も本音もいらない高さで暮したい
君を忘れるほどの未来がないんだ

薄明る海も
人気の無い砂浜も
瞼の裏では未だ
隣で笑う君がいるんだ

意味のない日々が好きだった
今は味気ない日々の中
浮き沈みの中で取りこぼした誰かとの後先

いつか色褪せていくのが思い出だというならそれは
潮風にあてられたみたいに

綺麗事の海で溺れた
君を想う心だけは生かせた
嘘も本音もいらない高さで暮したい
あれから一度だって
君を忘れるほどの未来はずっとないんだ
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