ブーケ

「首のほくろ数えないで。」
冗談まじりに頬をつねってる
拗ねた時のすぼめた口がなによりも愛しかった

「ねぇ、あたし好きになればそれ以外見えなくて」
頼りにしていたその言葉も今は邪魔して
困ってしまうな

「他の誰かと上手くやってね。」
誰が言うのよって思うだろうけど
いつか僕の前で白いドレス姿で
あの日の僕を後悔させてよ
春に飽きて大人になって
互いに恋人がいないとしよう
そしたらふたりの今度こそを願って
赤いブーケを贈るから

口約束なんかばっかいらないから
そんなのちゃんとわかってるけど、
今はちょっと...
ちがう。何も変わってやいない
ごめんね、出直してくるからさ

こんなこと柄じゃないけど
どうにもなりそうにないからさ
逸らさないで言うよ ちゃんとダサいけど
今でも君を想ってるよ

「他の誰かじゃダメだ。」と言って
「誰の台詞だ。」って笑わせてよ
そしたらもう一度あの日と違う涙で
小さな肩を濡らすから
赤いブーケを贈るから
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