硝子細工

揺ら揺らり月明かり
ひんやり固まった肌を透かして
ぐらぐらり嘘ばかり
騙る唇を溶かした

大切な人に成りたくて
不細工だった頃の憧れが
曖昧なままでスパークする
何も欲しくない
他意もわからない
また悪い子になっちゃった

ふと触れたら、すぐ崩れた
バラバラの身体
拾い集め、すぐ直す。
欠けた自分が大嫌いだ
不透明な硝子並べて
象った心臓に垂れ流す
此の、弱い自己同一性

お気に入り髪飾り
綺麗に着飾った無色のドレス
ふわふわり空回り
割れる唇に赤いラメ

大切な人に成れなくて
不細工だった頃の面影が
曖昧なままでクラックする
何も笑えない
痛いもわからない
また駄作い子になっちゃった

ふと触れたら、すぐ破れた
穴だらけの身体
光集め、すぐ散らす。
そんな自分も愛していたんだ
不揃いな硝子並べて
象った神像に焼け落ちる程
熱い愛を

ふと触れたら、すぐ崩れた
バラバラの身体
拾い集め、すぐ直す。
欠けた自分が大嫌いだ!
不透明な硝子並べて
象った心臓に垂れ流す
孤の、弱い自己同一性を
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