放し飼い

名前をつけたがるのって
君にとってはめんどいね
「大人の恋っぽい」なんて無理して
つま先が死んでいく

君の住むマンションの上
5月のちょい寒い曇天
素直に待った屋上で考えた
君の部屋のイメージ

君の「好き」には あたしの「好き」と違う意味があるの?

つまるところ どこもかしこも君ばかりで溢れたこの街じゃ
夜の帳 隣同士の希望さえ 消すこともままならない
病める心 そぞろウォークする この足は遠くへ行けるのに
今のあたし 放し飼いの家畜みたい
あんまり動けない

答えを知りたがるのって
空気の読めんヤツじゃんね
この歳になって絵本を閉じれない
あたしがやばいね

君だけが人生なんです
ボロボロになっても会って
手にした気分にだけはさせるよね
生粋の俳優ね

君は「ごめん」って言うけど 何が「ごめん」かは言わない

つまるところ どこもかしこも君ばかりで溢れたこの街じゃ
夜の帳 隣同士の希望さえ 消すこともままならない
病める心 そぞろウォークする この足は遠くへ行けるのに
今のあたし 放し飼いの家畜みたい

夜を越えて
朝になれば
あたし バカさに笑えて
君もろとも お終いになっちゃおう なんて

真実も嘘も愛も憎悪も
すべてがグラデーションだからたちが悪いわ

あと何歩 君からはみ出せば
あたしはあたしの 街を歩けるんだろか
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