December

雪が降る 風邪の微熱を冷ますように
街並みは おもちゃ箱みたいにキラキラ
改札前 恋人たちを眺めながら
自販機の苦い珈琲をひとくち

今この瞳に映る世界に 君だけが居ない

今朝のニュース “山羊座は恋が叶う予感”
「騙されないよ」誓いは最寄りに忘れてきた
「会いたいな」一言連絡してみるけど
返信が怖くて画面をそっと閉じた

今その瞳に映る世界には 誰が居るの

サンタクロースなんか来なくても
君が居れば 他に何も要らないのに
素面で宙の向こうまで旅をしようよ
静なる夜を月の海で なんて言ってさ

不在着信が1件 まさかそんなワケないよね
あれ その店の角 君に似た人が

風邪の所為かな 病み上がりだったから
幻が観えたんだ 明日も仕事だし
もう帰らなくちゃな 家路を阻むように
見慣れた顔が 僕を覗いていた

サンタクロースなんか来なくても
君が居れば 他に何も要らないとか
笑ってほしいよ
君の気持ちは知らないけど
確かなこと 今きっと僕は変な顔してるだろう
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