Re-plica

誰かの上で成り立つこの日々が煩わしくて
青褪めた顔の方が生きている心地がした

響く足音流れる雨音
階段の高さも背も長さも何もかも人それぞれで
比べる対象なんてあってないようなもの
けれど比べる事でしか人は価値を見出せない生き物

表現の自由はとうの昔に奥底に沈んで
人目や時間、お金に憚られそこまで辿り着けない芸術に塗れている
ならば登っていくしかない
何かを踏み台にして階段を上がっていくしかない

有象無象の雨が
苦しみの声が
降りしきる
降り続けてる
孤独の渦がまた雲に変わっていく
踏み外したら全て終わりだと足が震えた

いつからここにいるのか
どこまで登ればいいのか
分からぬまま

見上げればそこにはいつも月があった

自分の足で進んだものが
歩むべき道であれと願った
声がしたんだ
月の光が照らした 陽炎

何の為に歩いて
何を表現したくて
何を描きたくて
どんな道を選んで

これが正解なのか
これが答えなのか
こんなものが光か
こんなものが未来か

誰かの上で成り立つこの日々が煩わしくて
青褪めた顔の方が生きている心地がした

終わりがあるなら登って行ける
この夢が覚めても消えないまま
日々は続く
繰り返していく
螺旋は伸びてく

一歩ずつ
それでも

一歩ずつ
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