衿子

夏の終わりに 風そよぐ
浜辺で消えた 衿子 衿子よ
わるい遊びも してないけれど
噂はわるい ことばかり
ほんとは心の やさしい娘だと
おれは知ってた はずなのに

指で摘まれた 薄紅の
昼顔みたい 衿子 衿子よ
どこへ消えたか 黙ってひとり
涙にぬれて いただろう
救ってやれない 悔しさだいて
今もたたずむ 砂の上

秋のなぎさが 波立って
人影まばら 衿子 衿子よ
どんなことにも 言い訳しない
こころの強さ その弱さ
傷つくほどに きれいになった
花のうれいを 忘れない
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