永遠にここにいる

夕映えの河口に艀さ
曳き波で橋の影揺らし
口笛を吹いてた形で
唇が止まったままさ

途切れた歌に君が首傾げ
振り向くよ
忘れていいのにと

「泣かないで……」
そう言ったね君は最後の夜
俺の胸を指で差して
「永遠にここにいるよ…」って

君を乗せたこともあった
自転車のサドルの後で
少年が微笑うよ
汚れをまだ知らぬ魂のように

孤独っていう言葉に変わるね
哀しみはやがて色褪せて

「生きるのは切ないね…」
君の息が俺の喉笛を震わせて
細い声になる
橋の上

「泣かないで…」
そう言ったね君は最後の夜
俺のこと強く抱いて
「弱い人ね…」って

「永遠にここにいるの?」
俺の背中越しに
少年がぽつりつぶやく
風が吹く橋さ
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