哀撫

誰かの詩が手招く
夜の向こうを描く言ノ葉
長き夜に身悶えし
壊れるほど抱いて抱きしめた
胸の底で鳴いている
かくせぬ想い願いへ変わる
気がふれる程求めた
崩れ落ちて溶けて消えていく

髪を撫でて 肩を抱き寄せ 何も言わず

夜空に浮かんで消える
やがて儚げに生まれ変わる
逆らうほど沈みゆく
闇を泳ぐ流星の如く
強く抱いて抱きしめて
痛みも哀しみも孤独さえ
接吻で声を消して
温もりが肌に色を付ける

風を纏い 指を絡めて 瞳閉じて 誘うあの夜が

貴方の声が あぁ暗闇を染めていく
舌を這わせ あぁ 恋しくて愛しくて
月が夜を愛が蜜を濡らす
まるで甘い詩のような哀撫
泡沫が優しく囁いた

月が笑うまでもう少しこのままで
月が消えるまであと少しこのままで

誰かの詩が手招く
夜の向こうを描く言ノ葉
接吻で声を消して
温もりが肌に色を付ける

髪を撫でて 肩を抱き寄せ 指を絡め にじんだこの夜に

貴方の声が あぁ暗闇を染めていく
甘く酔わせ あぁ狂おしく悩ましい
重ねた艶が あぁひとひらの花になる
舌を這わせ あぁ恋しくて愛しくて
月が夜を愛が蜜を濡らす
まるで甘い詩のような哀撫
泡沫が優しく囁いた
×