運命の蜜

幸せへの最短ルートに偶々
あなたがいただけだから
あなたのこと捕まえることが
私の幸せのゴールなんかじゃないよ

それでもちゃんと捕まえて
瞳の中閉じ込めといて
あなたの長いまつ毛なら
私を閉じ込めておくのに
丁度良い檻になるでしょ?
逃げ出すつもりは
さらさら無いけど

「私あなた以上の人に出逢えないから、
このまま最期までそばにいて?」
なんて言えないまま
二人で並んで歩いた散歩道
私から手を繋ぐこともできないまま

通り過ぎてしまった
あの花に運命の蜜があったなら
こっそり隠れて取りに戻るほど
あなたに拘っているの
別れてしまうことが定めなら
いくら蜜を舐めても
意味がないけど…

例えば街角に咲く華に目が眩んで
あなたが浮ついても
私は私
あなたはあなた
別の幸せに辿り着くのでしょう

それでもこの心は
次会う約束が無いまま
サヨナラを告げるのを怖がってる

「私あなた以上の人に出逢えないから、
このまま最期までそばにいて?」
なんて言えないまま
一人で渇いた唇潤して
街を歩くことの寂しさよ

偶然通りかかったこの店に
運命の蜜が売ってるなら
私はそれを買い占めるほど
あなたに拘っているの
別れてしまうことが定めなら
いくら蜜を舐めても
意味がないけど…

飲み込んだ本心と
吐き出した強がりの間
彷徨ってる臆病な心

操れない運命と裏腹に
確かなことは一つだけ
私は今
あなたに恋してる
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