三日月桟橋

夜の汽笛は 淋しいものね
まして別れの 出船なら
この身をふたつに ひき裂いて
ついて行きたい あの人に
呼んでみたって 波また波の
三日月桟橋 あゝ…恋が散る

泣いて他人に 戻れるならば
お酒なんかにゃ すがらない
海鳴りひびけば また浮かぶ
忘れられない 面影が…
なんで今さら いいことばかり
三日月桟橋 あゝ…夢に見る

帰る人やら 帰らぬ人か
あてにならない 風便り
女の命を 抱きしめた
お伽ばなしね あの夜は…
せめて教えて 身のふりかたを
三日月桟橋 あゝ…春が逝く
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