万花繚乱

浮足立つ世の滴り 宵は焼けて燈涼しの
風よ導いて 祭りの日
後先は其れの二の次 今宵は気の向くままに
ただ君を追い越して 振り向く道理

夏風の抜けた長髪が
ふわり 鼻をくすぐるくらいに近づけば
この想いは絶え間ない夜の中

天よ詠え 空よ眩ませ
万花の咲いた 世の果てに
今日の続いたこの夜に
いらないものなどない

酸いも甘いも宵闇の火花
悔いて恥じることなどない
千夜未来まで煌めいておくれ
白日と成るままに

不慣れな差下駄鳴らして 蛍火の続く道を
風の呼ぶ方へ歩いている
手を取るは君の左手 今は理由も知らぬように
首傾げて笑う それは始まり

ああ
宙へ浮かぶ心模様
君で色づいた 夜さり
叶わぬ恋としても
今だけは鳴りやまぬ夜のまま

いつかたとえ君を忘れたい
夏になってしまうとしても
今日の想いは消えぬように
夜空に焼き付けて

パッと開いて 夜這いの星の
踊りだす 月夜を背に
恋の憂いなんて連れ去っておくれ
この夢見のままに

宵闇の風を 楽の音を
君で色づいた日々を
ボクは忘れない...られもしない
絶え間ない夜の中

禁忌と知った今は尚更
愛しく想うばかり
何度世界に阻まれど
悩めるものもない

酸いも甘いも宵闇の火花
悔いて恥じることなどない
千夜未来まで煌めいておくれ
白日と成るままに

解き明かして
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