影遊び

軋むブランコにぼやけた灯りが
落ちてくる夜は
懐かしいような火薬の匂いと
影法師が揺れた

「迷子になっちゃった」 はにかんで言うから
「それは大変だ」 ジョーク混じりに言ったけど
一緒なんだって 僕もね、迷ってんだ
ゴールどころか上も下も
分からない深海で右往左往してる

伸びてく影が映し出してたのは
うまく言えない感傷 行き場もなくうなだれたまま
僕らどこへ行くの 何を待っているの
空気が纏わりつく夜の中で
(君と両手伸ばして)
影遊びをする 何をかたどるの
(どんなものにでもなれる)
全部君次第だよ そうだ僕次第だろう

そろそろ帰ろうか 今日も終わる
日付以外は何ひとつ変わんないや
君はこくんと小さく頷いて
砂にバツ描いた

憂鬱に酔ってんだ そんな年頃さ
簡単に言っちゃって片付くのなら言うけれど
この感覚 もう訳分かんないの
ふわふわ襲う焦燥感
振り切っても振り切っても絶えず湧き上がる

満月まではあと一歩だけ足りない
月を見上げていた まるで今の僕らのようで
明日満ちるのかな もっと先なのかな
なんてどうだっていい話をする
(君の両手掴んで)
影遊びをしよう 魚になってさ
(いっそ泳ぎ出せばいい)
寂しいのは嫌だよ もっと遊んでくれよ

僕らはあとどれくらいで大人になるんだろう
気がついた時には変わってるものなの?
迷いも晴れて

まだだ
まだだ

まだあと少し
伸びてく影が映し出してたのは
うまく言えない感傷 行き場もなくうなだれたまま
僕らどこへ行くの 何を待っているの
空気が纏わりつく夜の中で

ねえ誰もいなくなった公園
ひっそりとただ明日へ向かっていく
まだ帰れない
ここで話をしよう ここで憂えていよう
灯り消えるまでは傍にいたい
(君と両手伸ばして)
影遊びをする 何をかたどるの
(どんなものにでもなれる)
全部君次第だよ そうだ僕次第だよ

まだだ
まだだ
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