半影

やけに明るいから
見上げると照らされたまんまる
納得だ

居心地の悪さに
虫唾が走るわ
応えてどうしようっての

解られたいが
解られてたまるものか
この矛盾は如何にもならないから
結局独りを選んでいくのさ

一筋縄に行くわけがない
夢ばかり見てられれば幸福
偽りの美しき言葉に胸焼け
体温ばかり上昇していく

ああもう騒がしいな
勝手に期待しちゃってさ
他人に委ねた幻想で満足するなよ
なあなあ楽しいかい?
このうるさい頭ん中見せてやろうか
だから言ったじゃないか

「形があるものには全て
名を付けなければいけないのですか
名前にはならないものだって
この世にはたくさんあると思うのです」

面倒だから
有耶無耶にしてちょうだい
そうした方が良いことだってあったでしょう
そこまで他人に興味がおありですか

たいそうな
一つ提案
内に向けてみたらどうかしら

ああもう要らないの
照らされないと輝けない
ならばいっそ発光して散ってしまいたい
なあなあ楽しめよ

あしたが必ずあるとでも思ってるのか
いつ無くしたって構わない
この命、二度はない
×