体温

油断してたのかも
でも そもそも
思わせ振りな生き物でも
凍らせたはずの気配が
揺らいで 揺らいで

指紋のように
浮かび上がる悲しみがあった
疑問だらけで
埋め尽くされてるよ

あれから あのとき あのままで
曖昧に封じ込めた出来事
平気なつもりでいたし 平気な振りしてた

分かり合える事なんかない
分かり合いたい訳でもない
僕は君じゃないし
君は僕じゃ、君は、僕じゃない

体内に眠る物語を
飼い慣らしながらね
上手に息を吸っては吐いてを繰り返してる

体温を持ち始めた“あの日”が
僕の熱を奪ってく 無造作に
激しい雨のように

会いたいとか、謎だよね
今さら でも 君は何を見てたのかな
何が見えていたんだろう

分かり合える筈なんてない
分かり合おうとした訳じゃない
君は僕じゃないし
僕は君じゃ、僕は、君じゃないから

唐突なその終わり方が
頑なな君のその叫びが
永久に僕を渦の只中へ誘い込むのならば

違う街で生まれ
けれど同じ空を
見上げた季節があった

違う心で生き 違う体を持つ
僕らは違うけれど
赦し合いたいだけ
だから体温を冷まして
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