青二偲

珍しく「花火でもいこう」
夏が嫌いで 海も嫌いな
僕らなのに

窓の外 雨でさんざんの8月に
夏の終わりでお別れなんて
悲しいよな

「いつかまた会える」とか
バカなこと言うなよ
雨が上がるの待たない

輝いた花火 じっと見つめて
轟いた音がたどり着くまで
叫んだぼくら 一瞬のブルー
笑って 笑わせて 1コンマまで
世界はぼくらのもの
そんな夏だった

いつだったっけ 最初の夏に
ぼくらガチガチのひとみしり
部屋の隅 偶然目が合って
今思えば人生最大のラッキー

「この足で海にでもいこう」
こんな時間に無茶苦茶だけど
お前らしいよな

僕たちの一日はまだ終わんない
花火買おうぜ 酒も買おうぜ
朝が来るまで

堪えた涙が溢れだしていく
笑って今日が終わってほしかった

握った手が透明で綺麗だった
寂しそうに灯った手持ち花火の
一瞬がすべて 僕たちのブルー

光って 描いた 打ち上げ花火
ずっと忘れないぜ
君と最後の今日が
夏で良かった
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