君になりたかった

聞こえないふりしてた
僕のイヤホン片方
そっと外す、君

忘れたいよ
思い出したくないよ
息をひそめて
じっと
チャイム待ってんだ

「さよなら」

そっと手を伸ばしてみても

「ありがと」

僕にはできないこと 全部
君は できるみたいだ

君になりたい
ずっと嫌いだったんだ
強がって眠れないや
午前0時
不安だらけの僕は

大丈夫なんて
今は
どうでもいいんだけど
大人みたいな顔した劣等感
君になりたかった

「ごめんね」

気付かれないようにじっと

「青春」

友達のふりして笑う
後悔
切なくなんかないよ

気付いてしまった
僕じゃない、と
君にむけたその笑顔
眩しくて
息が止まる気がした

僕は 君になれない
たったそれだけのことさ
ぎこちなく手を振った
いつものように
放課後の教室

こんな痛みも
そうだ 僕だけの青春
さよなら
言えないままの1ぺージ
明日、またね

忘れたよなんて
きっと
知らないふりして
大人みたいな顔した劣等感

僕は
君になりたかった
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