戦線警備の歌

今ぞ正義の 日の丸に
晴れた北支那 青い空
伸びる高梁(こうりゃん) かき分けて
北に南に 敗残の
敵うつ我等 警備隊

空に連なる 長城の
壁に薄れる 文字の跡
あれは過ぎし日 戦友が
占領したぞと 勝鬨(かちどき)を
挙げつゝ書いた その印

西は遙に ゴビ砂漠
望む彼方にゃ 大黄河
よしや曠野は 万里でも
君の御稜威(みいつ)の 有難さ
知らしてやるぞ 草木まで

強いやさしい 兄上は
此処で最後を 遂げたのか
嘆いてなろうか 弟も
国のためなら 喜んで
やがては丘の 花と咲く

今じゃ平和な 北支那に
沈む夕陽よ なぜ赤い
あれは帰らぬ 戦友の
燃ゆる血潮が 陽となって
我等を守る その姿
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