問わず煙草

煙草に火をつけてください
見知らぬ あなたよ
問わず語りの寒い心
あたためてほしい
あれは三年前のこと
愛しながらも 別れた
その人のおもかげ切なく
胸に宿してる

どこにでも ある話だねと
あなたはつぶやき
そしてまだひとりでいるの?と
わたしにきいた
さびしさなんて捨てたけど
後追う愛が邪魔して
背を向けりゃ 冷たい女と
呼ばれたわたし

煙草に火をつけるしぐさが
あの人に似てる
だから思わずなつかしさに
話しかけたのよ
忘れることはたやすいと
あなたは けむたそうに言う
もう一本 煙草を吸ったら
明日が見えてくるよ

問わず煙草に火をつけりゃ
想い出もただの未練
そうね わたしもばかな事を話したものね
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