離愁…高千穂

どうして愛は 失くした時に
つよくゝ輝く ものなのか
忘れさせてよ この悲しみを
真名井(まない)の滝の 水しぶき
高千穂峡(たかちほきょう)を 舟で行く
熱い思慕(おもい)を 捨てに行く

水面(みなも)に浮かぶ 面影ゆれて
なみだゝ落とした 五ヶ瀬川(ごかせがわ)
ひとり生きてく せつなさあふれ
未練が胸に 騒ぎだす
高千穂峡の 渓谷(けいこく)に
誰を呼ぶのか 鳥が啼く

離れて遠く 振り向く恋は
ふたりゝ歩いた 夢のあと
明日(あす)を心に 祈ればいつか
太古の神の 風が吹く
高千穂峡を 見上げれば
澄んで遥かな 青い空
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