愛着駅

閉まる扉が 指をほどき
別離(わかれ)を急かす ベルが鳴る
愛しながらも この街を
離れることを どうか許して…
あなた あなた さようなら でも忘れない
夢の名残り そっと心に ひとり 生きてゆくの

車窓(まど)に浮かんだ 笑い顔を
掻(か)き消すように 雪が降る
離さないよと 抱き寄せた
あなたの声が 遠く聞こえる…
涙 涙 溢(あふ)れても もう戻れない
愛し合った 思い出ばかり 胸に 降り積もる

揺れる列車に この身預け
夜明けと共に みなと駅
愛に逸(はぐ)れた 海鳥も
凍えるように ヒュルリ啼いてる…
あなた あなた さようなら でも忘れない
流れ着いた 見知らぬ街で ひとり 生きてゆくの
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