嘘と傷跡

燻べたままの愛が
溶け消えるはずのものが
こんなにも私を焼くなんて
なんて酷いじゃない

ちょっとだけ触れた、それだけなの
縺れた糸のようなあの日よ
どうせすぐ解けるものだと
思ってた、期待した

傷を庇うための手が
傷をつける理由になって

戻さないで
このままがいいの
どうせ何も変わらないの
あなたがくれた
その口先だけの愛じゃ
何も治らないから

どこにいるのなんてことも
わからないまま私はここにいるの
映したままの鏡の中ですら
いない、いない、いない、いない?

退屈な映画をみてもあなたのことばかり
思い出すの
なんて嘘よ、ごめんねほんとはもう
嫌い、嫌い、嫌い、嫌い?

壊れないように
ただ大事に抱え込んでくほどに

戻れないの
戻しちゃダメなの
分かってるはずなのにどうして
あなたの記憶が私を撫でるの
だからこれであなたにさようなら
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