少女夜曲

白い障子あけてみる 雪降る夜は
恋しさだけつもります あなたは来ない
髪を梳かす赤い櫛 待てど暮せど
銀のかごに入れられた 小鳥のようね

夢二の絵本は閉じたまま
私はあなたを待ってます
忘れな草 おし花にした
やるせなさをかみしめて

時に追われて 春が来ても
私の胸は冬のままでしょう

いつのまにか友達の垣根をこえて
バラの棘で指をさし ひとりで泣いた
赤や青の着物きた 人形みたい
もて遊ばれ捨てられて しくしく泣いた

炬燵に涙の文字を書き
あなたの名前を書いて消す
あやとり糸 プツンと切れて
せつなさだけあふれます

振り子時計に揺られながら
今夜もひとり また泣き寝入り

夢二の絵本は閉じたまま
私はあなたを待ってます
忘れな草 おし花にした
やるせなさをかみしめて

時に追われて 春が来ても
私の胸は冬のままでしょう
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