おぼえたて

引かれる手に任せて
雨 風 人 罵倒凌いでもらい
そのくせその背中 振り向いて欲しくなる

頼ることを知らない
激しい静かさを持ったあなたに
私はいつでも甘えてしまってたね

柔い肌 細い足 見せない涙

忍び寄る影 壊れそうな夜を越えた朝も
変わらない顔で

大事なものが 人が増えてゆくたび
なぜだろう 私は悲しくて
それさえ あなたはわかってて
一言で魔法かのように包んでしまうの
散らばる私が一つになった

空っぽの言葉ばかり知った気になって浴びせ傷つけて
自分の無力さを隠す道具にした

血が滲むほどの 悲しい嘘

見抜けないうちに守られてしまったこの体
捨ててしまいたくて

生まれ持ったものなんかじゃない
一から丁寧に教えてもらった真心
名前を 心を 私を その声が呼び
生まれて初めて生まれた気がしたんだ
これが最後のわがまま 許して
あなたが望んだ未来を作りたい
おぼえたての 愛をもって
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